第5章 社交ダンスとの出会いと舞台

ピエール・デュレイン氏との出会い①

私はニューヨークで23年間ダンスの活動を行いましたが、その間、バレエ、ジャズ、タップなどの一人で踊るダンスを中心にやっていた時代があります。ただその頃から、ペアダンスには常に興味がありました。と言うのも、ダンスを私が始めたきっかけになったフレッド・アステア(俳優・ダンサー)という人物は、時に一人で踊りますが、多くの場合、女性とスクリーンの中で踊っていたからです。ですので、例えばバレエの公演を観にった時でも、私の目が輝くのは男女が組んで踊るパドドウのシーンでした。そのような理由で、常に舞台でペアダンスを踊る「アメリカンボールルームシアター」(以下、ABrT)の名前だけは、知っていました。私が後に所属することになる舞踊団です。
ある時、このABrTの主催で、一年間ボールルームを無料で教えてくれるクラスを作るということで、ダンサーのオーディションをするチラシを見ました。私は本格的にペアダンスをやってみたこともなかっただけに、ただ興味本位で、万が一受かっても断ればいいくらいのつもりで、オーディションに行きました。オーディションでは、スウィング、ワルツ、バレエなどを踊りました。スウィングは少し知っていたのですが、ワルツは全く経験がなかったので、踊れませんでした。
ただ、オーディションが終わってみて、帰る途中にふと「このままミュージカルやダンスの公演をしていて(当時の私の主な活動です)、将来はどうなるのだろう。ひょっとすると、このペアダンスとの出会いが私にとって、この先大きなものとなるのではないか」と思いました。
 

ピエール・デュレイン氏との出会い②

オーディションから何日か経って、合格の連絡が来ました。

私は色々考えて、まず一年は失業保険で生活しながら、社交ダンスを学ぼうと決心しました。

アメリカンボールルームインスティチュートという名の特別クラスで、毎日朝10時から午後2時まで、バレエクラスでウォームアップして、アメリカンスタイルボールルームを、ピエール・デュレインと彼のパートナーのイバン・マーソー氏から学びました。

そして夕方5時過ぎから夜10時過ぎまで、毎日社交ダンス教室に通いました。

ニューヨークは日本と違って、グループレッスン(アメリカンスタイル中心です)を行う教室が多くあります。

種目もたくさんあり、インストラクターも一流で、JSDCで現在やっているような「フリーパス」を使って学びました。

 

さて、オーディション通過者のための特別クラスが始まってみると、周りのメンバーのレベルがあまりに高く、簡単にステップをこなしているように見えました。

話しを聞いてみると、10人ほどのメンバーの3分の2位が、既に社交ダンスのインストラクターだったのです。

ソロダンスを長年やっていた私は、足形はすぐに出来ましたが、女性と組むと全くリードが出来ないのです。

インストラクターではない残りのメンバーも、ミュージカル界などでかなり活躍してきたようで、組んで踊るダンスも慣れていました。

このような状況の中で、他のメンバーより遅れを取っていると感じていた私は、プレッシャーを感じながら必死に学んでいました。

ただ、時々行われた「アダジオ」(リフト)のクラスだけは、バレエ学校でパドドウ(バレエの中で男女が組んでリフトを取り入れて踊ること)を学んでいて好きだったこともあり、楽しんで誰よりも上手くこなしていた気がします。

月日が経って、いろいろな理由で半数以上のメンバーが辞めて行きましたが、新たにオーディションがあり新メンバーが入って来たりして1年が過ぎました。

ピエール・デュレイン氏との出会い③

クラスが始まって一年が経ちました。

試験も終わり、ピエールは私に「ニューヨークに住む日系人の人達にダンスを教えてみては」と提案してくれました。

私はそれまでタップダンスしか教える経験がなかったので、とても不安でしたが、ピエールのパートナーであるイバン(Yvonne先生)が手伝ってくれることになり、JSDCニューヨークの発足となりました。

同じ時期に、アメリカンボールルームシアター(ABrT)のオフィスに呼ばれ、ABrTの団員として踊ってみないかという誘いが、ピエールとイバンからありました。

願ってもないこと、社交ダンスのマスター達と一緒にパフォーマンスが出来る!嬉しさと不安が入り混じっていました。

でも私の中では、勉強が出来る!という思いが一番でした。

そのABrTで誘いがあった直後に、私の頭に浮かんだ(想像した)のは、新聞Back Stageに掲載された私の写真でした。

これは、ニューヨーク中のショービジネスの雇用や公演情報、そして批評(厳しくて有名です)が、ギッシリの毎週発行の新聞です。このBack StageDanceのページの批評の欄に、私の踊っている写真が掲載されているのが、何故か頭にはっきりと浮かんだのでした。そしてそれが後になって実現したのです。

ピエール・デュレイン氏との出会い④

ABRTのオフィスに呼ばれてから間もなくたって、リハーサルが始まりました。
ボールルームの経験の浅い私は、全く大変でした。マンボの作品では、組んで踊りなが
ら袖から舞台へ出てくるのですが、初めのうちは全く何のステップをやっているのかさ
っぱり解らず踊っていた状態でした。私のカップルは、幸運にもピエールとイバンがソ
ロで踊っていたアダジオ(リフトがメイン)の作品を担当することになりました。競技
会の世界では、シアターアーツと呼ばれます。もちろんリフトがメインのエキジビジョ
ンの元世界チャンピオンと同じ様にできるはずがありません。
リフト、リフトの毎日でした。とにかく女性を持ち上げることしか頭にありませんでし
た。しかしジムへ通うのと同じで、筋力トレーニングは1日置きがいいのです。
2週間続くNYのジョイスシアターの公演の後、3ヶ月間はずっと腕がしびれていました
。大西洋、太平洋、カリブ海等のクルーズや各地での公演をしましたが、何と言っても
NY公演は、各新聞に載りますし、芸術の目が高いニューヨーカー達の前での公演は1番
緊張しました。

TV映画「ファーイースト」①

TV映画「ファーイースト」のオーディション
ある時、マネージャーの1人から電話あり、日本人役で社交ダンスの講師ができるを人を探してるとの事。
私は自分しかいないと思いました。その同時私が知っている社交ダンスを教えてる日本人男性は、私以外に1人しかいなく、そのひとは役者ではなかったし、周りのアジア系男性の役者の中て社交ダンスを教えてる人は知りませんでした。オーディションは、結構長い台詞がありました。私は長年NYに住んでいても余り英語は勉強してなくすらすらと台詞をよむ事は難しかったですが、この役は私しかいないと思い込んでいたので、諦めずに練習してからキャスティングの前て台詞を読みました。
一度以前にカンフー映画でマーシャルアーツ(空手などの武道)ができるアジア人男性を探していました。私はアメリカに渡る前の京都時代に少林寺拳法の道場へ通っていました。一応黒帯は持っていました。
なので日本から持っていった拳法着を来てオーディションに向かいました。行ってみるとビックリ、50人くらいはいたでしょうか、待ち合わせ室では、よくカンフー映画に出て来る剣をクルクル回したり、棒を扱ったりしている者など、その世界では結構レベルが高いマーシャルアーツができる中国系の男性が多くいて、これは私はかなわないなと思いました。
が同時に「待てよ、これはあくまでも映画だから派手な動きを見せればいいのでは」とも思いました。程なくして5人づつ呼ばれて舞台みたいな所で1人づつ技を見せました。1番目の中国系の男性は剣をクルクル回していかにもカンフーの人間という感じ。2番目はアメリカ白人男性で空手を習いだしたみたいな感じで、よくまあこんな凄い連中の中でできるなと思いました。私の番が来ました。とにかく派手にやろうと考えた私は、ダンスと拳法を混ぜ合わせました。回転を混ぜながら足を高く上げるキックを中心にやりました。結果ラッキーな事にその5人の中では、私が残され長い台詞を渡されました。が長い台詞をみた途端やる気がなくなり、こっそり帰ってしまいました。これに関しては私は後で後悔しました。長い台本がその時読めなくても、どんな役が回ってくるか分からないのを今まで経験してるのにチャンスをすっぽかすなんて。
話しは戻りますが、だからこの経験があったので、ここではこんなチャンスは逃しまいと思い台詞もとにかく読みました。3日後には私が決まったと知らせが来ました。


TV映画「ファーイースト」②

この撮影の状況は、戦時中の横須賀のオフィサーズクラブで、日本人社交ダンス講師役の私がアメリカ人達にチャチャを教えています。そこへ主役のアメリカン人カップルが入って来て皆に加わります。ここで私が迷った事は、普通社交ダンスで行うチャチャとは足型が反対に振り付け師が教えてくれました。振り付け師はペアダンスは知らないようでした。できない事ではないが、やりにくいよりも社交ダンスを人々に教えてる私がこの間違ったやり方をやっていいのかと思いました。この事についてベアダンスの知識についてはこの人が一番だと思ってた先生に聞いてみますと、やはり振り付け師に言うべきだと答えが返ってきました。色々なバレエやミュージカルの舞台でも大抵の振り付け師はペアダンスを知らないので、カップルが踊るシーンが出てきますと、振り付け師がペアダンスを知っていればなあと思う時が多々ありました。それで次の撮影の時に振り付け師に言いますと、不服な顔をしながらも振り付けを変えてくれました。一番難しかったところは、私が皆の前でステップを言いながら音に合わせて役者の前まで動いて行き、その時耳をダンボのようにして役者の会話を聞きながらちょうどいいタイミングで「チャチャチャ」と言って2人の間を踊り過ぎて行くという振りをやった時です。口で皆にダンスステップを言いながら、耳は音楽と役者の会話を聞く、足はチャチャを踏んでいる。この時ばかりぼお腹が痛くなりました。相当神経を使ったようでした。

 

ミュージカル「バレンチノ」

日本帰国直前の2003年、ニューヨークでミュージカル「バレンチノ」の中の色々なペアダンスやタップダンスの振り付けを担当しました。この振り付けの以来は、ピエール氏にきたものですが、振り付けが好きな私にピエールにやってみないかと言われ引き受けました。このミュ―ジカルのディレクターであり、バレンチノ役をやっているチャールスという男性が、ピエールが出演してフレッドアステア賞を得た”グランドホテル”というブロードウエィショーで一緒に出演していたからです。このタイトルにもなっているのが、サイレント時代の映画「黙示録の四騎士」(1921)をはじめとする数々の映画で、タンゴ音楽の奥深さ、そしてタンゴダンスの美しさを世界に知らしめた銀幕のスター、イタリア人俳優のルドルフ・バレンチノです。アルゼンチンタンゴが、現在世界中で踊られるようになったのは彼が映画の中で見せたタンゴの魅力だったといっても過言ではありません。あまりのインパクトに人々はその中のタンゴを「バレンチノ・タンゴ」と読んだほどです。ダンスだけではなく、音楽にも影響を与えました。タンゴ音楽といえばコレ!と殆どの人々が口ずさむ曲「ラ・クンパルシータ」もこの映画でとても魅力的に使われたことにより、世界中で有名になったという説もあります。

 

クルーズへの思い

 

近い将来、皆さんと一緒にクルーズで楽しみたいと考えています。私は、ペアダンスの舞踊団「アメリカンボールルームシアター」のダンサーとして、大西洋、カリブ海、太平洋を、豪華客船で渡りましたが、そのときの楽しい経験を皆さんとも共有したいと思っているのです。船の中では、たくさんのショーが行われ、ジムやプールで運動する人、映画館や図書館でゆっくりと過ごす人と様々です。夜はやはりダンスを踊る人が殆どで、船の中での優雅な時間を躍って楽しみます。いくつかダンスフロアがあり、毎晩ドレスアップしてお客様が気楽にダンスを楽しみますが、このようなクルーズで一般的に踊られるのはJSDCではお馴染みのアメリカンスタイルのペアダンスです。

   まずは数時間のクルーズパーティから、将来は少し期間の長いクルーズ旅行まで、海外でも大人気の「タイタニック」のような本格的なクルーズ体験をしましょう。

ペア(社交)ダンスってどんなダンス?

ペアダンスって色々あるけど、どんなダンス?レッスンを取っている方も、お友達に「どんなダンス?!」と聞かれても意外とうまく答えられなかったりすることがあるのでは?それぞれのダンスを簡単に表現してみましょう!

   フォックストロット⇒アメリカ生まれの歩くようなカジュアルなダンス

   ワルツ⇒オーストリアのウィンナワルツから発展した優雅で流れるようなダンス

   タンゴ⇒シャープで切れがいいダンス  アルゼンチン生まれ

   ルンバ⇒セクシーで「愛」を表現  キューバ生まれ

   チャチャチャ⇒陽気で楽しいアメリカ生まれのダンス

   スウィング⇒ノリがよく楽しい!アメリカ生まれ

   サルサ/マンボ⇒陽気でかつセクシー☆アメリカ生まれ

   アルゼンチンタンゴ⇒気品があり情熱的 もちろんアルゼンチン生まれ♪

    あなたは今までいくつ踊ったことがありますか?

アダジオ(リフト)について

 

アダジオについて…今回はアダジオ(リフト)についてお話します。プロのショーやデモで、男性が女性を持ち上げたり、床の上で回したりする、一般のクラスでは学べない動きで、これらをリフト、ドロップ、ディップ、トリック等と呼びます。1つの曲に2つか3つ入れるとダンス全体が盛り上がります。アメリカでは、このリフト等を中心に踊る種目が競技会に入る時がよくあります。種目は、シアターアーツとかキャバレーという名で行います。アメリカではこの種目が上手なダンサーは少なくありません。私の師であるピエール・デュレイン氏がこのリフトなどを中心に使って踊る種目で、80年代ロンドンのブラックプールの大会において4年連続チャンピオンになる輝かしい成績を収めております。幸運にも私は長年ニューヨークでデュレイン氏から直接このリフトのテクニックを教わりました。リフトをいかにうまくこなすかは、基本的にはテクニックとタイミングの問題です。そして集中力です。バレエ等のリフトの様に、止まっている状態から行うのではなく、動いている勢いを使って出来るだけ力を使わずにかつ安全に行うリフトを行います。これからもこのアダジオのテクニックを日本中のダンサー達に伝えていきたいと思います

ダンス映画

 

今回はダンス映画について。

皆さんはペアダンスが多く入っている映画を幾つ観られましたか?実は数えきれない程たくさんあるのです。この何年かの代表作でいくとやはり「シャルウィダンス」(日本版とアメリカ版)。この映画を観て社交ダンスを習いたいと思った人は少なくないと思います。サルサを中心とした「サルサ」「ダンスウィズミー」。アルゼンチンタンゴを中心とした「タンゴ」「タンゴレッスン」。スウィングを中心とした「スウィングキッズ」。ハッスルを中心とした「サタデーナイトフィーバー」。ダンスの種類ははっきりしませんが「グリース」「ダーティダンシング」。ダーティダンシングⅡの日本版「ダンシングハバナ」。ミュージカル映画時代の1930年代ではなんといってもフレッドアステア主演の映画でしょう。フレッドアステアは私にダンスの道を選ばせた人です。渋谷スタジオにも何枚かの写真が置いてあります。「トップハット」「シャルウィダンス」等ジンジャ・ロシャースとのダンスは特に有名です。次にはジーン・ケーリー。この人も多くの踊れる女優達と数多くのミュージカル映画に主演していました。ソロやペアにかかわらず昔の映画のダンスシーンを観たい方は「ザッツ・ダンシング」「ザッツエンターテイメント」がお勧めです。

皆さんもダンス映画をご覧になってもっともっとダンスを楽しんではいかがですか。

ハリウッド版「シャル・ウィ・ダンス?」

ハリウッド版「シャル・ウィ・ダンス?」が423日に公開されました。日頃、ペアダンスを楽しむ方にとっては、日本版とハリウッド版で紹介されるダンスの種類の違いに気付かれると思います。日本版は「競技会出場への道」をストーリーとしているだけに、出てくるダンスも殆ど競技会のスタイルだけであるのに比べて、ハリウッド版ではそれに加えて、アメリカンダンス、クラブダンス、アルゼンチンタンゴの曲にのせたショーのスタイル、ウェディングダンスなど様々です。まさに、JSDCのパフォーマンスで皆様にお馴染みのものばかりです。JSDCは他のダンススタジオと何が違うの?と尋ねられたときには、この映画で例えると分かりやすいかもしれません。ハリウッド版「シャル・ウィ・ダンス?」で出てくる全てのダンスをレッスン、パーティ、そしてパフォーマンスで楽しむためのスクールです。皆さんも、いくつ知っているダンスが登場するか、劇場でチェックしてみて下さい。 2005年5月

Mad Hot Ballroom

「シャル・ウィ・ダンス?」に続き、見ていただきたい映画は、現在アメリカで公開中の“Mad Hot Ballroom”です。邦題はどんな風になるのか?いつ日本公開か?まだ分かりませんが、配給は決まったようです。この映画はドキュメンタリー映画で、ニューヨークの小学校で正式に導入された社交ダンス(英語でBallroom Dancing)のクラスを通し成長していく子供達の姿を追ったものです。子供達が始めに習うダンスは、スウィング、メレンゲ、フォックストロット、ルンバ、タンゴで、すでにニューヨーク市内68校で大成功しているプログラム。ペアダンスを通して、マナーを学んだり、「男性」「女性」へと成長する子供達の姿を見て、担任の先生が感動で涙するシーンがあったり、とペアダンスが人々に与える喜びを繊細に実感できる作品です。この社交ダンスプログラムを企画・運営するのは、私がニューヨークで所属していた社交ダンスの舞踊団「アメリカン・ボールルーム・シアター」代表のピエール・デュレインで、「ダンスや音楽はインターナショナル。様々な国の音楽、ダンス、文化に触れることは、特にニューヨークのような国際都市に住む子供達にとって大切なこと」とコメントしています。アメリカンスタイル社交ダンスを日本の方に知っていただく良いチャンスになればと思います。

タンゴについて

 

「タンゴ」はアルゼンチンタンゴ生まれですが、アメリカンスタイルのタンゴ、競技用のコンチネンタルタンゴ、ショーでもお馴染みの男女が足をからませたりするアルゼンチンタンゴの3つがあります。JSDCではアメリカンスタイルとアルゼンチンタンゴの両方を行っています。

3つのタンゴはステップの違いはありますが、あくまでもタンゴはタンゴ、似ているところは多分にあります。

例として、アルゼンチンタンゴでオーチョと呼ばれるステップはアメリカンスタイルでは「ファン」、競技用では「スウィブル」と呼ばれ、両足を閉じてまわるか、開いて回るか、の違いです。前に足を出してまわるのは、どのタンゴにもありますが、後ろへ下がってまわるのはアルゼンチンタンゴだけです。歩き方として、前へ行く時は後ろ足を出来るだけ床に残してから動き、後へ下がる時は前足を出来るだけ前に残してから下がるやり方はどのタンゴでも同じです。組み方ですが、アルゼンチンタンゴは二人が内側にひじを落として組むのに対して、社交ダンスと呼ばれるアメリカンスタイルも競技用も二人が外へひじを上げて組むのと正反対です。でも昔は社交ダンスのタンゴもアルゼンチン風に組んでいて、段々と今の形になったと聞いたこともあります。

   音楽で言うと誰もが一度は聴いたことがある「ラ・クンパルシータ」や最も古いタンゴの曲である「エル・チョクロ」などは演奏の仕方は色々ですが、どのタンゴにも使われる名曲です。バンドネオンを中心とした楽団で演奏されるアルゼンチンタンゴは、とても味わい深く、聞くだけでも楽しめるでしょう。

少しずつ違いはありますが、タンゴはタンゴ、楽しんでください。

ダンスのリズム

 

今回は各ダンスのリズム(タイミング)についてです。それぞれのダンスのリズムは、スロー(S)で2拍、クイック(Q)で1拍取ります。変化のないワルツなどは、1・2・3と数で表します。

フォックストロットは、SSQQの4歩からレベルが上がっていくと、SQQの3歩に変わります。

タンゴは、SSQQSのベーシックステップからステップによって変わります。

ワルツ、ウィンなワルツは、1・2・3で、クイックステップは、SSQQ(JSDCのやり方)のベーシックからステップによって変わります。

サルサは、QQS,チャチャチャは、1・2・3・4・&で、決して「1・2・チャ・チャ・チャ」ではありません。

ルンバは、QQS(SQQでも踊れます)、スウィングはSSQQの6カウントと、SQQSQの8カウントがあります。

ハッスルでは、特にJSDCで行うニューヨークスタイルは、&・1・2・3です。

メレンゲは、1・2・1・2で、サンバは1 a 2のベーシックからステップによって異なります。

出来るだけリズムを崩さずに踊りたいですね。ポイントは音楽をよく聞くことです。・

アメリカンスタイルと競技スタイル

 

アメリカンスタイルと競技会のスタイル(日本で一般的に「社交ダンス」と呼ばれるもの)の違いは一言では説明できませんが、今日はその中でいくつかお話させて頂きます。

   まず、競技用は文字通り競技に出ることを目的として作られているため、ステップが容易ではありません。学年で言うと高校レベルといったところでしょうか。それに対してアメリカンスタイルは幼稚園レベルの「歩く」(二人で向かい合って息を合わせて歩くこと、始めは意外と難しいものです)ところからスタートし、小学校1年生からひとレベルずつ上達できるよう出来ています。これは、ダンスに限らずどんなことを習うときも同じだと思います。そして小学生レベルの数少ないステップでも、パーティなどで音楽に合わせて楽しく踊ることが出来ます。高校生レベルになった頃には、ダンスの基礎、楽しみ方などしっかりと身についているので、そこから競技用のスタイルを始めても、ステップの違いはあるにせよ、無理せず踊れます。

   また、アメリカンスタイルは音楽をとても大切にします。アメリカンスタイルを練習されている方にとっては当たり前かもしれませんが、ダンスは音楽があってのものです。いい曲で踊ると楽しみも倍増します。競技用はどうしても足型中心になりますので、かなり上級レベルにならない限り、足型に気を取られてしまい音楽を楽しむところまで行かないことが多いようです。更に、カウント2からはじまる競技用のルンバやチャチャチャではリズムを外して踊っている方を何度となく見たことがあります。アメリカンスタイルは全てカウント1からはじまります。

   もちろん習っていく段階で音楽を「聴く」練習をすればどんなスタイルでもリズムに合わせて踊ることは可能です。

   最後になりましたが、競技用でモダンと呼ばれるダンス(ワルツ、タンゴ、他3種目)を踊る際、ペアでぴったりと体をつけたまま踊ります。アメリカンスタイルではラテンのように片方の手だけを組んで踊るステップがモダンにも多くあります。同じ種目でもスタイルで違いがあるのは皆さんにとっても興味深いことだと思います。

   競技用スタイルとアメリカンスタイル、私自身どちらの資格も持っていますし、共通の、そして、それぞれの素晴らしさがあります。アメリカの社交ダンススタジオなどでは、まずどんな人でもアメリカンスタイルからはじめ、その後はそのままアメリカンスタイルを極める人、競技会用のスタイルも加えて勉強する人などに分かれます。日本の皆さんがペアダンスと初めての出会う時に、競技会スタイルだけでなく、気軽に始められ一歩ずつレベルアップできるアメリカンスタイルという選択肢があれば、さらに多くの人にペアダンスの楽しさを知って頂けるような気がします。

長くなりました!また来月ここでお会いしましょう。

舞踏会

海外では、よく「○○ボール」と呼ばれる舞踏会が開かれます。特にウィーンでは、参加者がウィンナーワルツを踊る舞踏会が有名です。装いは皆フォーマルで、女性はロングドレスを身につけ、男性は燕尾服で白の蝶ネクタイ、白の手袋を着用します。最近ではタキシードやスーツ&ネクタイでもOKという場合があるようです。

   日本でも色々な国の大使館が主催する「○○ボール」が行われるようです。最近の参加者には社交ダンスを全く踊れない人も少なくないらしく、そのせいか、音楽もディスコやロックンロールがかかることがあるようで、JSDCの生徒さんで参加された方が、「せっかく習ったのに、とても残念だった」とおっしゃっていました。

   JSDCのパーティでも「まだ上手くないので」と遠慮してしまう方がいらっしゃいます。上級にならなければパーティを楽しめないと思っている方が多いようです。でも実際は、シンプルな基本ステップを知っているけで、パーティなどで十分楽しむことが出来ます。特に○○ボールなどのパーティでは、ダンスは出会いや会話、つまり「社交」のための手段ですので、上級者も初心者もレベルは関係なく、積極的に踊って楽しみます。

   もちろん上級になる楽しさもありますが、出来るだけ多くの日本の方に、パーティなどで堂々と振舞えるように、基本のレベルまででも社交ダンスを身に付けていただきたいです。頑張ってウィンナワルツも優雅に踊れらいいですね。

 

サルサ・スウィング・ハッスル

 

皆さんは、アメリカンスタイルや競技用の社交ダンスのラテン部門にはルンバやチャチャチャなど共通する種目があることは既にご存知だと思いますが、もっとカジュアルな雰囲気でアメリカなどでは人気のあるダンスにサルサ、スウィング、ハッスルがあります。どれもノリのいいリズムで踊りますが、それぞれのダンスにも様々なスタイルや種類があるのをご存知でしょうか。

   例えばサルサでは、LA(ロス)スタイル、キューバンスタイル、ニューヨークスタイルなどがあります。また、スウィングにも色々な種類があり、イーストコーストスウィング、ウエストコーストスウィング、リンディホップ、シャグ、バルボア、ヨーロッパへ行くとジャイブ、ブギ、ロックンロール、バップなどです。ハッスルは、NYスタイルが中心ですがアメリカ各地によってリズムが変わったりします。

   JSDCのレッスンでは世界で最も一般的に多くの人が踊っているスタイルを扱っています。是非、まだ挑戦していないダンスがあったらトライしてみてください。楽しいですよ。

モナリザスマイル

 

アメリカンスタイルの社交ダンスを題材とした映画「ステップ!ステップ!ステップ!」(原題Mad Hot Ballroom)が公開となりました。もう既に劇場で見られた方もたくさんいらっしゃると思います。この小学校でのダンスプログラムはかつて私が所属していた団体が主催しているということもあり、私のボスであるピエール・デュレインやパートナーのイバン・マーソーが登場しますが、今日はこのイバンさんがダンスの振付をした映画をご紹介いたします。

   「モナリザ・スマイル」(2003年)というアメリカ映画です。今やハリウッド女優の中でももっとも人気があるといわれているジュリア・ロバーツが1950年代のアメリカ北西部を舞台に大学講師の役を演じます。ストーリーの中心が「ダンス」というわけではないのですが、豪華な結婚パーティ、そしてその他にも上流階級の学生達が参加するパーティでのダンスシーンを是非楽しんでいただきたいと思います。スウィングやフォックストロットなど皆さんもお馴染みのアメリカンスタイル社交ダンスが何気なく登場します。もしDVDでご覧頂くチャンスがあれば、「特別編」では撮影前のダンスのレッスンシーンも見ることが出来ます。女優の一人が「最近の若者のダンスは自分でどんどん踊るスタイルが殆どだけど、ペアダンスでは男性のリードに合わせて女性が踊るので、新鮮でとても勉強になった」とコメントしていたのが印象的でした。

   日本の映画でも、このように何気なくダンスパーティのシーンが背景として登場する時代がくればいいなと思います。

新映画、新TV番組、クルーズ

 

少し前に、「アメリカで今社交ダンスが熱い!」とお知らせしましたが、そろそろ日本にも上陸しつつあります。まずは、311日全国公開する映画「ステップ!ステップ!ステップ!」(原題Mad Hot Ballroom)。NYの小学校での社交ダンスクラスを舞台に繰り広げられるドキュメンタリーです。社交ダンスプログラムは、私がNY在住時代に所属していたアメリカンボールルームシアターが主宰しているので、以前のボスや同僚も出演しており、私自身、思い入れもひとしおです。

    そして、昨年末、放映された「オールスターShall We Dance?」(日本テレビ)では、芸能人とプロの社交ダンサーがペアになり競い好評を得ましたが、それが4月より毎週土曜1900レギュラー番組として登場します。それに先駆けて321日(火祝)1900より3時間の特番「日テレ春のダンス祭り」もお楽しみに。こちらでは、おなじみウリナリ芸能人社交ダンス部も登場します。

    最後に、旅行業界でもダンスを取り入れたクルーズ旅行を企画中の様子。JTBでは2008年の世界一周クルーズのプランをこの夏に一斉発表予定です。船内ではダンスレッスン、そしてダンスタイムを設けるとのこと。私も仕事で世界各国をクルーズで回りましたが、外国のクルーズではアメリカンスタイルが一般的です。今回の企画も、外国人に囲まれて、映画『タイタニック』のような雰囲気を目指しているとのことです。ここで、どのようなスタイルのダンスを取り入れるかまだ情報は届いていませんが、是非本場のクルーズを日本の皆さんにも楽しんで頂きたいです。ご興味のある方は、www.royalroad.jp/をのぞいてみてください。

ペアダンスショーの演出

日本でペアダンスのショーを舞台演出したいと思っています。私自身、ペアダンスとの出会いは、競技会でもパーティでもなく「舞台のパフォーマーとして」でした。所属していたのは社交ダンス界の大御所、ピエール・デュレイン率いるアメリカで唯一のペアダンス舞踊団「アメリカンボールルームシアター」です。舞台では6組のペアがタンゴ、ワルツ、サルサなどの全ての種目を演じ、客席は、ミュージカルやその他の演劇と同じように連日大勢の観客で埋め尽くされます。アメリカ全土ツアーやクルーズでの公演を通して世界中の各都市を渡りましたが、メンバーが最も緊張したのは地元でもあるニューヨークでの公演でした。目の肥えたニューヨーカー達を満足させるのが難しいことは誰もが承知ですし、実際に舞台を見ていなくても芸術・文化に関心のある人々が集まる場所ですので、初回公演は成功しても失敗しても次の日のトップニュースになります。最もメジャーな新聞、ニューヨークタイムズの批評家のコメントは、その公演の2日目からの観客の動員数を決定付け、公演の長さも左右します(3日や1週間で打ち切られることも!)。そんな場所でペアダンスに出会い、ペアダンスの楽しさ、そして厳しさを経験したことは私にとって大切な財産です。

今は、JSDC専属チームである「ジャパンソーシャルダンスシアター(JSDT)に自分の学んだことを伝えて行きたいです。皆さんの応援よろしくお願い致します。


●運営団体など●

JSDC 東京 福岡

●お問い合わせ●

JSDC東京

TEL&FAX: 03-5939-7262

メール:tokyo@jsdc.org

 

お問い合わせフォームは

こちらから